もう長いこと、私の中でロックンロールが鳴りやまない。
正確に言えば、鳴りやまないっ。
神聖かまってちゃんの「ロックンロールは鳴りやまないっ」は、私の中では普遍だ。リリースからかれこれ14年もの年月が経ってしまった今もなお。
https://www.youtube.com/watch?v=NXT9rz8BErk
「駅前TSUTAYAさん」や「MD」はスマホと音楽ストリーミングサービスに取って代わられた。
「イヤホン」は今やBluetoothのワイヤレスイヤホン。(もちろん有線が好きな人もいるけれど)
時代が変わり媒体が変わっても、ロックンロールは私たちを殴りつけてくる。
おそらくロックンロールは人を選んで殴る。一生殴られない人もたぶんいる。ロックンロールに殴られた人はしばしば人生を変えられる。
「何がいいんだか全然わかりません」から「MD取ってもイヤホン取ってもなんでだ全然鳴りやまねえっ」へと。
実は同じことを草野マサムネも歌っている、と思う。
たとえば2010年の「恋する凡人」
「走るんだどしゃぶりの中を ロックンロールの微熱の中を」
たとえば2016年の「醒めない」
「まだまだ醒めないアタマん中で ロック大陸の物語を
最初ガーンとなったあのメモリーに 今も温められてる」
の子は「ロックンロール」を「衝撃」と呼び、草野マサムネは「微熱」「温められている」と表現した。この差はキャリアゆえなのだろうか。あるいは性格か。
生き方の問題かもしれない。の子はまあ、あんなんだし、草野マサムネって変態だけど成熟した感じがするもの。
ところでロックンロールに初めて殴られる年齢の中央値って、中2くらいな気がする。音楽の持つ力を真に感得できる精神年齢は、それくらいなんじゃないのか。
自分語りをするなら、私にとってのそれは中2のときに聴いたモーツァルトの交響曲第25番の第1楽章だった。...それってロックか?わからないけど、音楽に頭をかち割られた初めての体験であることは間違いない。
音楽よ、あのときに私を選んで殴ってくれてありがとう。本当にありがとう。
だからこれからも、の子の言葉を借りるなら、
「いつまでも、いつまでも、くれよ!」
「あのときの衝撃を僕に、もっと、くれよ!」
今も私は微熱の中を生きている。
音楽は鳴りやまない。鳴りやまないっ。